浄土真宗本願寺派得度習礼の記憶・その6感想など

得礼に行く前は、とても嫌だったんですよ。

勉強不足だわ緊張やプレッシャーはすごいわで。

直前まで「行きたくねえなあ~」って正直思っていました。習礼に行って自分と同じ境遇の方と話していてお互いほぼ同じ理由で「行きたくねえ」って思っていた方もいらっしゃったし、色々お話いていくうちに同じ境遇ではないし同じ理由ではないけれど「行きたくねえ」と思っていた方もいらっしゃるとわかりました。もちろん、自分から得度するんだ!とやる気で来た方もいらっしゃいますよ。

私が参加したときは、新型コロナの検査結果というか陰性証明が全員必要だったので、前々日に検査に行って無事陰性の結果が出たときは「あああ行かなきゃいけないなあ」と思ったほど。

得度講習会に参加したときはここまで「嫌だあ~」なんて思っていなかったんですけどね…。

 

入所当日、見覚えのある西山別院の門をくぐり、見覚えのある研修道場(習礼教修所)にたどり着き、そこでやっと覚悟した…いやそのときはまだできていなかったかも…。

3日目午前中くらいまではどうなるのかと不安でした。ちゃんとやっていけるのかとか、無事に10日間を終えられるのかとか。でも、先生方のお話を聞いたり、知り合った方と話をしたり、座学のグループワークで他の習礼生の方の話を聞いていると得度する理由は本当に様々で、色々な考えや思いを知ることができて、本当に興味深い濃密な日々になったと今は思います。

色々話をしていくうちに、不安はあるけれど「嫌だな」と思う気持ちはなくなっていきました。私の場合は習礼の日々はどうなるんだろうという不安より、実際に得度してご門徒さんの前に出ることの不安の方が大きくなった感じでしょうか。

座学の講義を受けるにつれ、自分の知識の乏しさを思い知らされました。知識を得る時間を与えられたことはありがたく、知識を得ることは楽しいな、と思えたのは自分にとっては意外でした。とはいえ、座学は眠くなることもありましたし、勤行では足が辛いです。正座が辛い。長時間の正座は痛い。立てなくなるのは自分だけではないとわかっていても、勤行を終えてすっと立てる方を見ると羨ましくなりました。

座学、正信偈の書写があったんですが、よく話をするようになった方と皆で「午前中の座学これだけでもいいよね」というくらい楽しかったし、なんとも気が楽な時間でした。(時間内では完成しなかったのを持ち帰っているので、また時間を見つけて続きをやりたいところです)

 

剃髪や得度式の話が出てくる頃になると、「もうすぐ習礼終わるんだ!」というゴールが見えてくる喜びと、「終わっちゃうのか…知り合った方ともお別れか…」というちょっとした寂しさが交互に来ました。仲良くなってくるとなんとなく「合宿感」を感じるようになってきたんですよね。時間はタイトだし勤行は厳しいし足は痛いし早起きで眠いし、楽しいことばかりではないのですが、楽しくないことばかりでもなくなってくるので…。

 

本当に、同じ班の方をはじめ仲良くなった方、お話させていただいた方にはお世話になりました。あの方々がいなかったら私はきっと習礼を乗り越えられなかっただろうなと思います。もっとたくさんお話ししたかったなあ…。

指導員の先生方にも本当にお世話になりました。

 

行く前はものすごく嫌でしたが、帰るときは「悪くなかったな。来て良かったな」と思いました。(手のひらクルー)

自坊に着いてからの解放感すごかったです。

あと閉所式後にスマホの電源入れたら通知音が止まらず通知の量がえげつなかった。

 

これから得度習礼に行かれる方には、是非準備万端で行かれることをおすすめします。忘れ物もないように。

入所時に必要なものを忘れれば下手すると入所前から厳しく注意を受けることになりますし、習礼に必要なものを忘れれば、注意を受けた上、自坊・自宅に連絡して送って貰う必要があります。

 

食物アレルギーについては初日に、剃髪に関して金属アレルギーについても剃髪までに面談があります。どちらについてもアレルギーある方は忘れずに申告しましょう。きちんと配慮して貰えます。

 

体調不良・怪我なども、少しでも不安あれば指導員に相談しましょう。女性の方で男性指導員には言いづらい…と思うことがあれば、女性指導員に。まあ体の不調は指導員の中で共有されますが。でも無理して座学や実習、勤行に参加するのは本当に良くないので、相談しましょう。

 

私は得度講習会と得度考査を地元の教区主催のものは新型コロナの影響で参加できず、宗務所主催の研修道場でのものを勧められて参加しました。その時にお世話になった指導員の先生方のお顔を拝見して「この先生もあの先生もその先生も覚えてるぞ…あっこの先生は新入り…」なんて思ったりしていました。(相手は資格持ちの先生やぞ…)

先生方が私のことを覚えていたかは不明ですしおそらく覚えていたとしても「いたなあ」程度でしょうし、一方的にではありますが自分が知っている方がいらっしゃって、全く知らない場所ではないと思えて少し安心したのを覚えています。

宗務所主催、教区主催のどちらが良いのかは正直わかりません。

宗務所主催のものですと、講習会も習礼と同じ会場なので「懐かしい知っている場所」で習礼もできるのは良いことかもしれません。講習会も宿泊込みですので、生活もなんとなく予習ができたような感覚です。起床時間は多少違いますが、起床のことや食事(配膳・黙職・迅速に)とか。習礼が始まって食事のスピードが「早い」と驚かれていた方もいましたね…。

教区主催の講習会に参加できていたら、教区の知り合いが増えていたかもとも思いますが、今となってはたらればの話です。

 

これから得度習礼に参加される皆様の習礼期間が良いものとなりますように。