浄土真宗本願寺派得度習礼の記憶・その3 得度式

 得度式のこと。

 

得度式が近づいてくると、剃髪や俗袴の着付け方や得度式の習礼があります。

 

剃髪は、男性は入所前に一度短くされると思いますが、ここでまた更に短くなります。剃髪後に研修室入ったときに「景色違う」と思う程度に変わります。本当に青くなる。

女性は襟足のみ剃ります。希望者は剃髪ありますが、私たちの期は希望者いなかったですね。

 

俗袴は男女で結び方が違うので、講習は別々で。何度か着付けと動く練習をしておくように言われます。慣れないと動きにくい&裾を踏みますからね。得度式で転びたくないですよね。まあ私は得度式で裾踏みましたが。意地でも転ばなかったけど。

 

得度式、成績優秀者は代表として最前列に座ります。代表として度牒や黄袈裟など受け取る役ではなくても最前に配置される人もいます。代表ではないのに最前に座ることになっても気にしなくて良いです。「ご門主のお姿やお顔を目で追ってはいけない。真っ直ぐ前を見ているように」と言われますし、実際お顔をじろじろ見たら失礼ですよね…。

まず直にご門主のお顔を拝見する機会はありませんから、見たくなる気持ちはわかりますけどね。自分だったらじろじろ見られたくないですからね。

ま、最前になったらそれはそれで緊張するでしょうが。

 

得度式の流れも練習します。

でも、当日も「間違えてはいけない」って緊張しました。

 

その得度式。

暗い中で、緊張していて、あっという間の時間でした。

作法も間違えることなく(袴の裾は踏んだけど)終えることができました。

「これで正式に僧侶になるんだ」と思うと涙が出そうになったりも。

厳粛で、一度きりの特別な時間でした。

得度式終了後、度牒と法名を無事に頂きました。

終わったときはほっとしました。これで帰って良い報告ができる、と。

 

本当は、得度式に出発する前の指導員からのお話で少しうるっとして、得度式でうるっとして、研修道場に戻ってからの教育主幹の先生からのお話でうるっとして、涙腺ゆるゆるでした。

本山に着いて道場に帰るまで時間タイトで動いている間はそれどころじゃなかったんですが、涙腺…こっちもなかなか忙しかった。

 

そんなこんなで宿泊の部屋に戻り、布袍に着替えての夕食は、お祝い献立でした。ありがたく頂きました!

 

翌日は、本山での晨朝勤行の後、龍虎殿の鴻の間で御斎をいただき、その後、大谷本廟を参拝しました。僧侶になって初めてのお勤め、参拝。少しだけ見える景色が違うような気がしました。僧侶としてこの先歩んでいくんだ、と思ったのを覚えています。

 

次は、参拝を終えて研修道場に戻ってからのことと、生活のことで書き忘れていたこと、それから持ち物のことを書こうと思います。